2020年3月に新型コロナウイルス感染症の大流行が起きて教室が閉鎖され、オンライン授業を受けることを余儀なくされたとき、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の工学部でトップクラスの学生の一人が教授にある懸念を表明した。クラスメートがカンニングをして良い成績を取り、自分の成績評価を相対的に下げるのではないかというのだ。フイフイ・チー教授はこのジレンマを考慮し、2000年の歴史を持つが今ではほとんど無視されている試験方法を導入した。口頭試問だ。「学生たちは緊張していた」とチー教授。「こうした試験を受けるのは初めてだったから」この取り組みは実験を伴う3年間の研究につながり、口頭試問は現在では7000回に及んでいる。世界中で多くの大学教授が教育や学習の改善、カンニングの防止を目的に口頭試問を試行中だ。
AI使うカンニング、大学の古典的対策は
古代ギリシャ時代から続く口頭試問に新たな注目
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