アップルの拡張現実(AR)端末がついに実現する。同社は今年いっぱい費やして、この製品に3500ドル(約49万円)近く支払うべき真の理由を消費者に示さなくてはならない。アップルは5日開幕した年次開発者会議「WWDC」の基調講演で、仮想現実(VR)とARを組み合わせて利用できる複合現実ヘッドセット「Vision Pro(ビジョンプロ)」を発表した。何カ月も前からうわさされていた製品で、デザインは漏れ聞こえてくる情報とほぼ一致した。携帯用バッテリーパックに電源ケーブルでつながれた高機能スキーゴーグルといった風情で、発売は来年初めの予定。価格は3499ドルからという。フェイスブックを傘下に持つメタ・プラットフォームズが販売するVRヘッドセット「Quest Pro(クエストプロ)」の価格に比べると3倍以上だ。メタは販売不振を受け、今年すでに価格を3割ほど引き下げた。アップルは新製品をプレミアム価格で発売するのに臆したことは一度もない。5日に披露されたVision Proは、先に売り出されたAR・VRヘッドセットより魅力的なデザインとなるのは間違いない。
アップルのAR端末が抱える現実的な課題
ヒット商品を欲する同社にとって「Vision Pro」は高価な賭け
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