「狼少年は許さない」――。
東京都の猪瀬直樹知事は、2月6日の大雪予報を気象庁が外したことに触れ、ツイッター上でこう怒りをあらわにした。これには多くの都民が共感したことだろう。
気象庁は、前日5日の時点で「降雪量は23区の多いところで10センチメートル」と予報していた。当日午前5時の時点でも「5センチメートル」としており、列車が通勤ラッシュ時の間引き運転を実施するなど、都心の交通にも大きな影響が出た。
にもかかわらず、当日の降雪量は、積雪深計のある東京都心や千葉市、横浜市ともに「ゼロ」。つまり、予報は大外れだったのだ。
一般的に雪の予報は難しいと言われる。地上は雨でも高層ビルの上では雪といったことがあるように、気温の影響をもろに受けるからだ。そのため、気象庁に同情的な意見があるのも事実である。
ところが、気象庁の大雪予報が外れることを見越していた民間の気象会社があった。それがウェザーニューズ。気象庁の持たざるビッグデータを活用し、「大雪にはならない」と的中させていたというのだ。
850万DLを誇る天気アプリから
20万のデータを収集し精度高める
「コブのような小さな低気圧ができた。北東の風が南東の風に変わり、雨になるかもしれないぞ」
2月5日午後2時ごろ、ウェザーニューズの森田清輝取締役らはそう声を上げ、同社のサイトや番組上で「大雪」から「雨寄り」の予報に切り替える。午後8時半には次のようなメールを配信している。
「【臨時大雪情報】明日は大雪の見解でしたが、最新見解では都心東部は芝生にうっすら積雪する程度に」