米バイデン政権はウクライナに供与する主力戦車「エイブラムス」の装備を巡り数週間にわたって内部で議論を重ねてきたが、劣化ウラン弾の装備を認める見通しだ。複数の政府関係者が12日明らかにした。政府高官の1人はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、同弾薬の装備を承認することに大きな障害はないもようだと述べた。劣化ウラン弾は米軍が常用し、ロシア軍の戦車に対して高い効果を発揮するとみられる。このため米国防総省は、ウクライナに供与するエイブラムスに劣化ウラン弾を装備するよう求めてきた。米シンクタンクのランド研究所の防衛アナリストで元陸軍砲兵将校のスコット・ボストン氏は、劣化ウラン弾について「貨物列車の衝突のように」破壊効果が大きいと説明。射程距離は長く、密度が高い性質のため、敵の装甲にピンポイントで打撃を与えることができると述べた。