中国では何年にもわたり大勢の人が多額の借金を重ねてきたが、今年は債務返済に注力している。結果としてこの先、経済の低成長化が長引く恐れがある。世界2位の経済大国となった中国は、峡谷にまたがる橋建設や新築マンションなどあらゆる用途の資金を調達するため、長年クレジット(信用)に頼ってきた。今や中国は長期間に及ぶ「デレバレッジ(債務圧縮)」と呼ばれる痛みを伴うプロセス――借り手は収入を消費や投資に回すのではなく、債務返済に振り向ける――に直面している。国際決済銀行(BIS)によると、非金融セクターに対する信用総額は昨年9月時点で49兆9000億ドル(約6960兆円)に上り、10年前の水準の3倍以上だった。この数字は、ドル建てでは2021年末の51兆4000億ドルから減少しているが、人民元建てでは債務が増え続けている。
中国に「債務圧縮」の波、経済へのリスクは
消費者・企業・地方政府が一斉にデレバレッジに動いている
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