米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、自社の10倍余りの規模を持つ競合他社の裏をかき、現在の地位を築いた。AMDはデータセンターを運営するハイテク大手にサーバー用プロセッサーを供給するという大事業を構築した。これは主に、インテルの犠牲の上に成り立っている。シリコンバレーの先駆者インテルは、数々の失策によって最先端半導体の生産で最大手の座を奪われる前は、サーバー用市場で推計99%のシェアを握っていた。データセンター分野での昨年の売上高はAMDが64%増の60億ドル(約8400億円)となった一方、インテルは15%減の192億ドルだった。AMDは今やさらなる高みを目指している。同社は13日、データセンター用の新製品を披露した。そのうち高性能コンピューティング向けの「スーパーチップ」は中央演算処理装置(CPU)、画像処理半導体(GPU)、メモリー(記憶装置)を一つの半導体パッケージにまとめたものだ。データセンターで人工知能(AI)を使用するためのGPUベースの「アクセラレーター」も発表した。「チャットGPT」といった生成AI技術の台頭を背景に、コンピューティングの最もホットな分野でエヌビディアと真っ向勝負する位置につけている。