米半導体大手インテルはファウンドリー(半導体受託生産)事業で大口顧客を必要としている。だがその前に、自社を整理する必要がある。大口顧客と自社再編の両方が必要であることは、インテルが「社内ファウンドリーモデル」について投資家向け電話会議を21日に開催後、株価が下落したことから容易に見て取れる。大きな新情報は発表されなかった。その代わり、昨年10月に明らかにされた他社設計の半導体チップ製造を拡大するための事業部門の運営方法について詳しい説明があった。だが一部の投資家は、その事業における最初の大口顧客の発表を期待していたようだった。実際インテルは、IFSとも呼ばれるファウンドリーサービス部門で最終的に大口顧客を獲得できるかどうかに多くがかかっている。シリコンバレーの先駆者であるインテルは、54年の歴史の大半を自社設計のチップ製造に費やしてきた。他のメーカーに工場を開放することは簡単なプロセスではない。とりわけ、潜在顧客の多くはインテルと競合するチップを製造しているためだ。IFS部門がインテルによって最初に発表されたのは、実は2年以上前のことで、世界的にチップ製造能力が著しく不足していた時期だった。それでも、同部門の今年3月末までの12カ月間の売上高は7億3000万ドル(約1035億円)に過ぎなかった。同期間の売上高全体の1%だ。