貧しい環境で育った子どもは、精神的・身体的な健康問題や教育レベルの低下、大人になってからの収入の低さなど、後になって問題を抱えるリスクが非常に高いことが分かっている。心理学において、これは最も明らかで、最も懸念されている結果の一つだ。とりわけ低所得世帯の子どもは、不安やうつ病を発症しやすい。最近では、低所得が脳の発達における物理的な変化と関連していることも分かってきた。例えば、低所得世帯の子どもは、学習と記憶の形成に不可欠な脳の一部である海馬の発達が小さい傾向にある。どうすればこれを解決できるかということは大きな問題となっている。学術誌ネイチャー・コミュニケーションズにハーバード大学のケイティ・マクローリン氏とデービッド・ワイスマン氏らが発表した論文では、お金や特定の社会政策によって違いが生まれる可能性が示唆されている。
お金が助ける脳の発達 子どもへの好影響明らかに
福祉手当が低所得世帯の子どもの脳発達に寄与との新研究
有料会員限定
あなたにおすすめ