貧しい環境で育った子どもは、精神的・身体的な健康問題や教育レベルの低下、大人になってからの収入の低さなど、後になって問題を抱えるリスクが非常に高いことが分かっている。心理学において、これは最も明らかで、最も懸念されている結果の一つだ。とりわけ低所得世帯の子どもは、不安やうつ病を発症しやすい。最近では、低所得が脳の発達における物理的な変化と関連していることも分かってきた。例えば、低所得世帯の子どもは、学習と記憶の形成に不可欠な脳の一部である海馬の発達が小さい傾向にある。  どうすればこれを解決できるかということは大きな問題となっている。