米国の不動産投資家にとって、日本人バイヤーからの関心ほど血が騒ぐものはない。日本人は米国のシンボルとも言える資産に語り草になるほどの金額を払い、その最たるものが、三菱地所が1989年に手に入れたニューヨークのロックフェラーセンターだ。ほどなく日本でバブルがはじけ、ロックフェラーはわずか6年後にデフォルト(債務不履行)に陥った。森トラストが先日、REIT(不動産投資信託)のSLグリーンからニューヨークのグランドセントラル駅に隣接するオフィスビルの半分を購入すると発表すると、あの興奮がよみがえった。パーク街245番地には20億ドル(約2890億円)の価値があると評価され、改装のための追加投資も計画されている。SLグリーンの株価は2日間で30%上昇した。その後やや押し戻されたものの、REITセクターは4%近く上昇し、セクター別でほかを大きく引き離した。
米オフィス物件の苦境、思ったよりマシなのか
SLグリーンが森トラストにNYオフィスビルの権益およそ半分を売却
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