本番レベルの問題に触れよう

 3番目のポイントは、「本番レベルの問題に触れる」こと。

 夏の段階で第一志望校の問題に取り組める人は、必ずしも多くはない。それでも、共通テストレベルの問題や併願校の問題を解いてみてほしい、と小林さんは言う。

 なぜか? 過去問は、参考書や問題集の問題とは根本的に異なるからだ。解く際の緊張感の違いもあるが、それだけではない。

「参考書や問題集は『理解してもらう』ための問題。ただ、入試問題は『落とす』ための問題なんです。入試問題をワンセットしっかり解いて、こういう問題もあるんだという経験をぜひしてほしい」

 とはいえ、目の前の課題が山積している受験生にとって、夏場にじっくり腰を据えて過去問を解くハードルは低くない。「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と後回しにしてしまい、なかなか手をつけられない人もいるだろう。

 だからこそ、小林さんはこう提案する。「夏期講習に迷っているなら、過去問に触れる授業を取っていただくといい」

(構成/加藤千奈)