20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)
専門職ではなく総合職・一般職に就くケースも
基本的に就職状況は良い。約8割が就職、1割が進学、残りは親の後を継ぐ自営の道に進んでいる。学校側の支援体制も充実しており、企業からの農大限定求人データを自宅やキャンパスで自由に検索・閲覧できる「農大キャリアナビ」もある。
キャリアセンターでは選抜した学生のみが参加できる公務員講座も実施している。「保護者版キャリアサポートガイド」を発行するなど保護者向けの情報発信にも熱心だ。就職先は食品メーカーやスーパーなどの小売、建設、造園などの業界が代表的。キユーピーやサカタのタネなど、伝統的に「強い」会社もある。
しかし入社後、大学での専攻がうまく生かせるかというと疑問が残る。実際にその道をつかめるのはごくわずかで、一目置かれているバイオの卒業生ですら、製薬会社に入っても営業職、食品メーカーに入っても総合職として働くことが多い。
また、専門とはまったく関係のない一般企業就職を希望する学生たちも一定数いるが、大学の看板イメージが強いため、「なぜ農大卒なのにウチなのか?」と面接試験で詰問されがち。それをハネのけるだけの個人的パワーがないと、有力他大生との勝負は厳しい。