物価と不動産価格の下落続く中国
長期経済低迷に陥る分岐点か?
中国経済が物価下落と不動産価格下落の「ダブル・デフレ」に陥るリスクが高まる中、中国もバブル崩壊後の日本経済と同じような長期低迷に陥るのでは、との観測が出ている。
7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比▲0.3%と2021年2月以来のマイナスに落ち込み、国内総生産の3割を占めるとされる不動産の市況悪化も止まらず、1~7月の不動産開発投資額は前年同期比▲8.5%と落ち込みが続いている。
経営危機に陥っている不動産開発大手、中国恒大集団が8月17日、米国で破産を申請したことも不動産不況の深刻ぶりを改めて示した。
バブル崩壊前後の日本経済と現在の中国経済とを比較すると、類似点は多く見いだされる。最大のポイントは潜在成長率が大きく下方に屈曲していることだろう。
米国との貿易摩擦激化で内需拡大を急ぎ不動産市場を過熱させ、その後の不動産価格急落を正常化の過程として容認して経済停滞を招いていることも似ている。
中国は日本と同じ道を歩むのか。その可能性はありそうだ。