細胞生物学者にして歌人の
元京都大教授の永田和宏
京都市右京区の嵯峨野地域といえば、有名寺院が連なり京都観光には欠かせないエリアだ。その中にある京都府立の進学校が嵯峨野高校だ。
細胞生物学者にして歌人という「二刀流」の卒業生がいる。元京都大再生医科学研究所教授の永田和宏だ。2004年からは宮中「歌会始の儀」の詠進歌選者を務めている。この「選者」ポストは短歌界の重鎮が就くことになっている。
永田は1966年に嵯峨野高校から京大理学部物理学科に入学、同時に京大短歌会に入会した。京大講師―米国立がん研究所客員助教授―京大教授―京都産業大教授―JT生命誌研究所館長などを歴任した。
研究生活の傍ら出した第一歌集『メビウスの地平』で第2回現代歌人集会賞を受賞した。その後、寺山修司短歌賞、若山牧水賞、日本歌人クラブ評論賞、毎日芸術賞など75年から22年にかけ20以上の賞を受賞、エッセー集や『タンパク質の一生』(岩波新書)なども著した。
歌人一家として知られる。妻の河野裕子(私立京都女子高校卒)は10年8月に死去しているが、女流歌人として名を残している。長女の永田紅(京都市・私立同志社高校卒)も生化学者で歌人、長男も歌人だ。NHKBSやEテレなどで一家の模様が放映されることもしばしばで、短歌ファンの間では「二刀流」に対する興味・関心が強い。
卒業年次はぐっと若返って45期後輩になるが、女優の吉岡里帆が今、人気絶好調だ。テレビドラマ、映画、CM、舞台、グラビア誌などに引っ張りだこで、売れに売れている。