中国のスパイとされる人物からの電子メールが届いたとき、筆者がそれに注意を払うべきだと気付くまで少し時間がかかった。1月2日午後に届いたそのメールは、民主主義と専制主義の争いに関する近刊書に関するパネルディスカッションに討論者の一人として参加してほしいというものだった。このような依頼を時折受けることがあり、いつも迅速に対応しているわけではないことを認める。幾つかの詳細に目が留まるまで、このメールをほとんど見落としていた。この招待は、中国に対してタカ派的な見解を持つ英議会議員で構成される「中国研究グループ(China Research Group、CRG)」の代理人から届いた。同グループの創設者の一人で、現在は安全保障担当相を務めるトム・トゥーゲンハット氏を私は尊敬している。また、数年前にこの本の著者に会っており、その内容の一部には同意できないと思ったが、喜んで彼の新作発表を手伝った。私はパネルディスカッションへの招待を受け入れた。