病気を遠ざける「免疫力」は腸で作られるため、腸内環境をよくする食品をとることが重要というのは、免疫専門医である藤田紘一郎氏の弁。なかでも野菜、発酵食品、肉や魚の骨から出るだしといった腸にいい成分を、体調が悪くても年をとっても体に吸収しやすい調理法がスープです。
この連載では、『免疫専門医が毎日飲んでいる長寿スープ』から、自力で免疫力を高める食事の法則やおいしくて続けやすい「長寿スープ」のレシピをお伝えします。

ハーブの香りで食欲アップ。長ねぎの甘みもやさしい

トマトとハーブのスープトマトとハーブのスープ

ココが長寿効果! トマト+ハーブ

トマトのリコピンは強い抗酸化作用を持つだけでなく、代謝をアップして中性脂肪の上昇を抑えます。ハーブは香りづけとしての役割はもちろん、活性酸素の除去能力も期待大。タイムやオレガノはトマトとの相性も抜群です。

材料(2人分)
トマト……大1個(250g)
長ねぎ……1本(80g)
にんにく(つぶす)……1/2片
ドライタイム……小さじ1/4
ドライオレガノ……小さじ1/2
オリーブ油……大さじ1/2
だし汁……1 1/2カップ
塩……小さじ1/5
スペアミント……少々

【作り方】
1 トマトはひと口大に切る。長ねぎは2cm幅に切る。
2 鍋にオリーブ油とにんにくを入れて中火で熱し、長ねぎ、オレガノ、タイムを加えて炒める。香りが立ったらトマトを加えてさっと炒める。
3 だし汁を加えて煮立て、塩で調味する。器に盛り、ミントを添える。

調理時間10分
エネルギー75kcal
たんぱく質2.4g
糖質7.7g
塩分0.6g

本原稿は、藤田紘一郎著『免疫専門医が毎日飲んでいる長寿スープ』からの抜粋です。この本では、腸内環境を整えて免疫力を高める「長寿スープ」のレシピが多数収録されています。ウィルス対策が必須の昨今、免疫力を高めて病気にならない体を手に入れてみませんか?(次回へ続く)

【コロナ&インフル対策】免疫力を上げる腸活スープ
藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)
1939年、旧満州生まれ、東京医科歯科大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科修了、医学博士。テキサス大学留学後、金沢医科大学教授、長崎大学医学部教授、東京医科歯科大学教授を経て、東京医科歯科大学名誉教授。専門は、寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。1983年、寄生虫体内のアレルゲン発見で、日本寄生虫学会小泉賞を受賞。2000年、ヒトATLウイルス伝染経路などの研究で、日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞を受賞。

藤田紘一郎先生は本書発売から約半年後の2021年5月14日、誤嚥性肺炎のため帰らぬ人となられました。

本書は、制作中にコロナ禍となり「免疫力」に注目が集まる渦中の出版で、すぐに高い支持を受けて重版をくり返す本になりました。藤田先生には、長年の研究とご自身の体験から行きついた、誰でも無理なく体調を整える方法を惜しみなくご教示いただきましたこと、深く感謝しております。

高名な学者という地位に似合わず、いつも心から優しいまなざしで、楽しそうに持論を話される姿が忘れられません。亡くなる直前までサービス精神旺盛で、生きることの意味を教えてくださった藤田先生に心より敬意を表します。