新型コロナウイルス禍がかなりの落ち着きを見せ、社会は少しずつ元通りになりつつある。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった問題はいまだに解消されていない。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本マクドナルドホールディングス、モスフードサービス、日本KFCホールディングスの「ファストフード」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
ファストフード3社増収増益、
客足には不安も?
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のファストフード業界3社。対象期間は2023年2~6月期の四半期(3社いずれも23年4~6月)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・日本マクドナルドホールディングス
増収率:7.7%(四半期の売上高904億円)
・モスフードサービス
増収率:14.2%(四半期の売上高221億円)
・日本KFCホールディングス
増収率:14.0%(四半期の売上高244億円)
ファストフード3社はいずれも前年同期比で増収となった。特にモスフードサービスと日本KFCホールディングスは2桁増収だった。
さらに、利益面も全社増益となっている。値上げ効果が増益に貢献した。ただ、日本マクドナルホールディングスの客足を見てみると、不安な兆しもある。
次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、利益面も見ていく。