米長期金利が16年ぶりの高水準に急上昇したことで、米経済のソフトランディング(軟着陸)が危ぶまれている。何が引き金になったかが分からないだけに、不透明感は強まっている。
米連邦準備制度理事会(FRB)は1年半にわたって短期金利を引き上げてきた。その目的は、長期債利回りを押し上げて景気を減速させ、インフレを抑えることだ。だが直近の上昇の速さは、けん制の意図の表れかもしれない。折しもインフレは緩和し、FRBは利上げがほぼ終了したことを示唆している。
米10年物国債利回りは3日に11.9ベーシスポイント(bp)上昇して4.801%を付け、2007年8月に始まったサブプライム住宅ローン危機以来の高水準となった。ダウ工業株30種平均は約431ドル(1.3%)下落し、年初来の上昇分が吹き飛んだ。S&P500種指数は1.4%安、テクノロジー株の比率の高いナスダック総合指数は1.9%下落した。