人はみな、価値を産み出す源泉を内に秘めている。仕事とは、その才能をお金に変換する作業にすぎない。もし、世界に価値を産み出したいなら、何よりもまずは“好き”を追求しよう。それでも、やりたいことがみつからないなら、やるべきことをやろう。

 人はみな、価値を産み出す源泉を内に秘めている。仕事とは、その才能をお金に変換する作業にすぎない。

 いつか、スタジオジブリの宮崎駿監督が、テレビのドキュメンタリーで「僕は才能の奴隷です」と話していたことを思い出す。考え悩み抜いて作品に魂を込める宮崎氏の姿勢は、まさにプロフェッショナルの仕事そのものである。

 プロフェッショナルとは、神にプロフェス(宣誓)する存在である。プロは、顧客や社会、自分の状態を考慮に入れながらも、あくまで「神との契約」に基づき、みずからの美学、使命(ミッション)に従って仕事を遂行する。

使命が転じて、価値となる。価値が変じてお金になる。その一貫した流れの中で生きていきたいと思った。使命に従うことは、もっとも効果的・効率的な「お金を稼ぐ」、つまり価値を産み出す方法だ。

 お金のピラミッドで言えば、左辺がそれにあたる(図)。価値をお金に変える世界で一番大切なことは、ピラミッドの左下にある「使命」から始めることだ。この使命と、覚悟が結びついて、価値となる。

 

「30秒100万円也」でピカソが言いたかったこと

 どうすれば自分の使命(ミッション)をみつけ、それに従って生きることができるのか?使命を見つけるのは、大変なことのように思われる。

 本連載の初回に登場したピカソには、次のような逸話もある。