外国資本の中国離れが進んでいる。それでも6年ぶりに訪米した中国の習近平国家主席は、米企業や投資家を呼び戻そうと売り込みをかけることはしなかった。習氏はその代わり、15日の米企業トップらとの夕食会で、同日のジョー・バイデン米大統領との会談のテーマだった両国の協力余地について力説し、二国間の緊張緩和に向け米企業の支援を求めた。演説では自らを人民の指導者と形容し、人的交流を通じて二国間関係を強化することの重要性を訴えたが、貿易や投資については特に強調しなかった。習氏は「中国は質の高い発展を追求し、米国は経済を活性化している。(中略)われわれが協力する余地は十分ある」と述べた。夕食会にはアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)やブラックロックのラリー・フィンクCEOをはじめ、クアルコム、ボーイング、ブラックストーン、KKR、ファイザー、フェデックスなど米大手企業の経営幹部が出席した。いずれも中国に投資する企業で、時価総額は合わせて数兆ドルに上る。テスラのイーロン・マスクCEOとセールスフォースのマーク・ベニオフCEOは、夕食前のパーティーで習氏にあいさつしたが、夕食会には残らなかった。