経営破綻した暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXの創業者で、今月有罪の評決が下されたサム・バンクマンフリード被告は、収監中に新たな通貨を手に入れた。それはサバだ。彼は量刑の言い渡しを待つ間、ニューヨーク市ブルックリン地区のメトロポリタン拘置所で「刑務所経済」の基本を学んでいる。寝食を共にする仲間には、麻薬密売と銃器所持の罪で裁判を待つホンジュラスの元大統領や、コカイン密輸を手助けして有罪となったメキシコの元公安相らがいる、と事情に詳しい複数の関係者は話す。禁煙の導入後、連邦刑務所ではタバコに代わってサバが「獄中通貨」として好まれている。収容者らは時として売店で購入した保存パック入りの魚を使い、互いにサービスの代価を支払っている。関係者の1人によると、バンクマンフリード被告は公判を前に、トレードマークのもじゃもじゃ頭を散髪してもらい、パック入りサバ数袋を渡した。