人工知能(AI)を用いて契約書のチェック業務を支援するAI契約書審査サービスは違法であるかどうか──2022年6月に経済産業省(経産省)のグレーゾーン解消制度において「違法の可能性がある」という見解が示されていたが、政府は再び「違法の可能性がある」という見解を示した。
グレーゾーン解消制度を用いた弁護士ドットコムからの照会に対して、政府は10月14日に「弁護士法第72条本文に違反する可能性があることを否定できない」と回答した。弁護士ドットコムはAI契約書審査サービスへの参入を計画しているため、グレーゾーン解消制度を用いて照会を実施したという。
AI契約書審査サービスを巡っては、10月3日にAI契約書審査サービスに関する認知や信頼性の向上、法制度を含めた環境整備、サービスの普及に向けた制度の研究や啓蒙を目的に、リーガルテック領域スタートアップのリセ、GVA TECH、MNTSQ、LegalForceの4社が一般社団法人「AI・契約レビューテクノロジー協会(ACORTA(アコルタ):AI and Contract Review Technology Association)」を立ち上げたばかりだ。
既存の事業者たちは「違法性はない」という考えを示しているが、今回の政府の見解はAI契約書審査サービスにどういう影響をもたらすのだろうか。同サービスの今後の動向には引き続き注目が集まりそうだ。