株式投資で資産を増やし続ける人たちは、「株の売買タイミング」をどう見極めているのでしょうか? 「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」―そんなユニークなスタイルで人気を集めているのが『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。著者は、2000億円超を運用した元ファンドマネジャー、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から、本書のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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株式投資の成果は「勝率」では決まらない。では、何で決まる?
証券口座を開いて、自分の保有銘柄を確認してみてください。含み損の銘柄ばかりが抱えているということはないでしょうか。
値上がりした株は、「利益があるうちに売っておこう」と早めに手放す。一方、値下がりした株は、「そのうち戻るだろう」と持ち続ける。その結果、利益が出ていた銘柄はポートフォリオから消え、含み損を抱えた銘柄ばかりが残っていく。
これは、個人投資家が陥りやすい典型的な負けのパターンだと、窪田さんは指摘します。
窪田さんは、株式投資で資産を増やすうえで大切なのは、単純な「勝率」ではないと言います。
たとえば、10回投資して7勝3敗だったとします。一見すると、かなり優秀な成績です。
ところが、勝った7回では数%程度の利益ですぐに売却し、負けた3回では損切りできず、数十%の損失を出していたらどうでしょう。これでは、いくら勝率が高くても、資産はなかなか増えていきません。
反対に、10回中3回しか勝てなくても、負けた7回の損失を小さく抑え、勝った3回で大きく利益を伸ばすことができれば、トータルでは利益を残すことができます。
つまり重要なのは、「何回勝ったか」だけではなく、「勝ったときにいくら儲け、負けたときにいくら損したか」なのです。
「利益は小さく、損失は大きく」なりやすい個人投資家の心理
理屈のうえでは、利益を大きく伸ばし、損失を小さく抑えればいいだけです。ところが、実際にこれをやるのは簡単ではありません。
窪田さんは、その大きな原因の一つが、個人投資家の心理にあると指摘します。
保有株が値上がりすると、「せっかく出た利益を失いたくない」という気持ちが強くなります。「下がる前に売っておこう」と、少し利益が出ただけで売ってしまいます。
一方、買った株が値下がりすると、今度はなかなか売れません。「ここで売ったら損が確定してしまう」「もう少し待てば、買値まで戻るかもしれない」。そう考えているうちに含み損が膨らみ、それでも「ここまで下がったのだから、そろそろ反発するだろう」と持ち続けてしまう。
人は心理的に、利益が出ている株は早く売りたくなり、損失が出ている株ほど手放しにくいのです。その結果、本来目指すべきトレードとは正反対の「利小損大」に陥りやすくなります。
資産を大きく増やす人は「損切りは早く、利確は遅く」
では「利小損大」に陥らず、資産を増やしていくにはどうすればいいのでしょうか。
窪田さんが重視するのが、「損切りは早く、利確は遅く」というトレードの鉄則です。
株式投資では、どれほどうまい人でも、買った株がすべて上がることはありません。どんなに慎重に銘柄を選んでも、自分の予想に反して株価が下がることはあります。
大切なのは、そのときの対応です。窪田さんは著書『株トレ』でも、保有銘柄のチャートに「強い売りシグナル」が出たら、「いつか戻るだろう」と期待せず、躊躇せずに売って損失を小さく抑えることが重要だと説明しています。一方、買った株が上昇トレンドに乗っている間は保有し続け、利益を伸ばしていきます。
「何回勝ったか」ではなく、「勝ったときにどれだけ利益を伸ばし、負けたときにどれだけ損失を抑えられるか」。ここに、株で資産を大きく増やせる人と、普通の個人投資家との大きな違いがあります。



