日本の「上級管理職の国際経験」世界最下位、英語力87位が象徴する人材育成の難題国際競争力低下の大きな要因は人材の質の低下で企業の人事政策や大学改革などの大変革が必要だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

世界人材ランキング、日本は43位
目立つ英語力や国際経験の乏しさ

 EFエデュケーションファースト社が、2023年11月に発表した23年版の「EF EPI英語能力指数ランキング」(注1)では、日本は87位で22年の80位から7ランク低下した。

 このランキングは、世界で最も多くの国・地域の成人の英語能力を比較したものだが、日本は「低い英語力」の国に該当すると判定され、アジアの23の国・地域でも15位で、前年の14位からさらに順位を下げた。

 またスイスのビジネススクールIMDが9月に発表した23年の世界人材ランキング(注2)でも、日本は前年より2つ順位を下げて世界第43位に位置づけられている。

 これは05年の調査開始以来最低の順位だ。中でも「上級管理職の国際経験」への評価は最下位だった。

 日本の国際競争力の低下がいわれるなかで、グローバルに活躍するための英語力の低さやビジネスエリートの国際経験の乏しさは改めて人材育成が喫緊の課題であることを浮き彫りにする。だが背景には根深い問題がある。