ダイヤモンド・オンラインの記事の中から、「今こそ読みたい1記事」をお届けする。今回は、2023年12月18日配信の連載『「強み」を生み出す育て方』の記事を紹介する。
冬休みの学力ダウン→親の想像以上に「危険」
冬休みに勉強しないと学力が落ちる――こう聞いて「まあ、休み明けから取り戻せばいいじゃないか」と思った方、要注意です。
実は「冬休みに勉強を続けた子」と「続けなかった子」の間には親が想像する以上に大きな差が生まれるのです。
衝撃の調査結果と、親がカンタンにできる「たった1つの予防法」をご紹介しましょう。
冬休みの学力ロスは「時間割」で予防可能
今年も冬休みがやってきました。
「年末年始は自分もゆっくりしたいし、里帰りもある。まあ、子どもたちものんびり過ごしていいか…」そう思う親御さんもいるでしょう。気持ちはわかるのですが、これは危険です。
実は、冬休みに油断すると大幅に学力を失ってしまうのです。ここで、アメリカの調査結果をご紹介しましょう。
6月から8月まで、3カ月もの「長い夏休み」があるアメリカでは、毎年、夏休み明けになると「サマースライド」と呼ばれる学力低下現象が起こることが知られています。
サマースライドは小学校低学年の子どもに顕著に表れ、ある調査によると、夏休み中に勉強を怠った場合、1~2ヶ月分の学力が失われ、それを取り戻すのにさらに1~2カ月を要することがわかっています。つまり、夏休みに何も勉強をしないと、最大で4カ月分の学力を失うのです。
上記は夏休みを対象とした調査です。しかし、冬休みでも同じ現象が起こりえます。「長期休みに勉強をしないと大幅に学力を失う」この事実は夏であろうと冬であろうと、変わりません。
もちろん期間が短ければ失う学力も少なくて済みますが、「冬休み中に勉強を続けていた子」と「冬休み中に勉強をしなかった子」の間には大きな違いが生まれます。この遅れを取り戻すのは子ども自身にとってつらいことです。
学力ロスを阻止するには、長期休暇中も学期中と同じような生活リズムを維持することが効果的です。長期休み中の生活リズムが安定していると、子どもは次に何をすべきなのかが自分でわかりますから、やるべきことに集中して取り組めるようになります。
「里帰りや旅行を楽しみにしている」という場合でも、1週間などなるべく短めの期間で出かけましょう。1週間程度なら多少生活リズムが乱れてもすぐに修正できます。
子育て成功のカギは「強み育て」にある
子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?
たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。
つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのです。