残念ながら「子どもをダメにする言葉」は存在します。多くの親が「わが子をほめられた時」につい言いがちな一言です。25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成した経験から解説します。(TLC for Kids代表 船津 徹)
親の「謙遜」が子どものやる気をつぶす
「◯◯ちゃんは賢いね」とわが子をほめられた時、「そんなことないよ」「うちの子は全然できないよ」と否定していませんか。
本心ではなく謙遜であっても、横で聞いていた子どもは「私は全然できないんだ……」と言葉通りに受け取ってしまうのです。
脳神経学者のアンドリュー・ニューバーグ博士とマーク・ウォルドマン博士の共同研究によって、ネガティブな言葉がストレスホルモンであるコルチゾールを生成すること、そして、ポジティブな言葉がやる気や幸福感を高めるホルモンであるドーパミンを放出させることがわかっています。
社交辞令として親が自分を謙遜するのは構わないのですが、子どもを下げるのはやめましょう。
親の言葉は子どもの脳に強い影響を与えます。親が本心でなくても「うちの子はダメ」「うちの子はできない」とネガティブな言葉を聞かせていると、ホルモンの働きによって、本当に子どもからやる気や自己肯定感を奪ってしまうのです。
子育て成功のカギは「強み育て」にある
子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?
たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。
つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのです。