心療内科医が教える「本当の休み方」とは?疲れが取れない人必見うまく「休む」には、「休みが必要な状態だと自覚」し、「休むことができる環境を確保」した上で、「自分の状態にとって適切な休養活動を選択する」というプロセスが必要だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA
*本記事は本の要約サイト flier(フライヤー)からの転載です。

おすすめポイント

 仕事から帰ってきて、疲れて何もやる気が起きない。にもかかわらず、ついついスマホでSNSや動画を観ているうちに、すっかり寝る時間が遅くなる。そういった経験はないだろうか。休んでも疲れが取れないことには原因がある。休みの日にひたすら眠ったり、ダラダラ過ごしたりしても、心身の状態が改善するとは限らない。個性や、その時の心身の状態によって、「本当の意味で心や身体を癒やすことができる休み方」は異なるのだ。

『心療内科医が教える本当の休み方』書影『心療内科医が教える本当の休み方』 鈴木裕介著 アスコム刊 1540円(税込)

 著者は、身近な人の死をきっかけに、医療職のメンタルヘルス支援活動を始め、さまざまな「生きづらさ」を抱える人々の話を聴いてきたという。ストレス反応と自律神経の関係は一般的に知られているところだが、本書では専門家の観点から、自律神経に関する最新の論文や学説を根拠に新しい考え方を展開している。

 複雑化した情報にさらされ、コミュニケーションにさまざまな困難を抱える我々現代人のストレス反応を読み解き、臨床的にも学問的にも根拠のある「本当の休み方」を知ることができるはずだ。「自分は大丈夫」と思って走り続けているうちに、突然身体がいうことを聞かなくなり、休職や治療が必要になる前に対処しなくてはならない。

 休みたいのに仕事が忙しくて休めない、会社から帰ったらエネルギーを使い果たして何もする気力がない、家族サービスや翌週からの仕事の準備などに追われ、自分の疲れを癒やす間もなく週末が終わってしまう――そんな方におすすめしたい一冊だ。(鈴木えり)