進捗管理のために細かく報告を求め、ちゃんとやっているかを確認し続ける――その行動が、じつはチームの生産性を下げている可能性がある。

ちゃんとやった?

「遊ばせない」管理が、職場の空気を淀ませた

部下を遊ばせないことに必死になり、厳格な行動管理を続けた時期があった。
サボっていないかを確認し、進捗を細かくチェックし、
報告の頻度を上げることで、管理が行き届いていると感じていた。

しかし実際に起きたことは、想定とは逆だった。
監視が強まるほど、部下は「怒られないための報告」をするようになっていった。
本当のことではなく、上司が聞きたいことを伝えるようになり、
生産性は落ち、職場の空気は澱んでいったという。
管理を強化することで安心しようとした行動が、
チームから正直さと活力を奪う結果につながっていたのだ。

「監視者」から「支援者」へ、スタンスを切り替えた

私自身、かつては部下を「遊ばせない」ことに必死になり、厳格な行動管理をしていました。
しかし、監視すればするほど、部下は「怒られないための報告」をするようになり、生産性は落ち、職場の空気は淀んでいきました。
そこで私は、スタンスを「監視者」から「支援者」へと完全に切り替えました。
「ちゃんとやったか?」をチェックするのではなく、「君が今週を気持ちよく終えるために、私が手伝えることはないか?」と部下に問いかけたのです。

その気づきから、スタンスを「監視者」から「支援者」へと完全に切り替えたという。
「ちゃんとやったか?」という問いをやめ、
「君が今週を気持ちよく終えるために、私が手伝えることはないか?」と問いかけるようになった。

この言葉の違いは小さいようで、受け取る側への影響は大きく異なる。
前者は評価の問いであり、後者は支援の申し出だ。
評価される立場に置かれた部下は、よく見せようとする。
支援される立場に置かれた部下は、困っていることを正直に伝えやすくなる。
上司が何を求めているかが変わると、部下の反応もまったく変わっていく。

上司の問いかけが、チームの文化をつくる

上司が日常的にどんな言葉をかけるかは、チームの空気をつくる。
「できたか、できていないか」を問い続ける文化では、
部下は失敗を隠し、うまくいっていないことを報告しにくくなる。
一方で、「どうすれば気持ちよく仕事を終えられるか」を問う文化では、
部下は素直に状況を共有しやすくなり、早い段階で問題を表面化させることができる。

監視をやめることは、管理を放棄することではない。
部下が正直に動ける環境をつくることが、
結果として最も効果的な管理になるということだ。
上司が「支援者」として振る舞うとき、部下は守られていると感じ、
本来の力を発揮しやすくなっていく。

今週、部下に声をかけるとき、「ちゃんとやったか」の代わりに「何か手伝えることはあるか」と聞いてみることだけでいい。

(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに作成しました)