“何となく不調”は疲れを取るチャンス、4つの体質別「疲労解消法」とは「疲れない」のでなく、「疲れていてもすぐ回復する」体をめざそう(写真はイメージです) Photo:PIXTA

レビュー

 現代人は疲れている。そのため、テレビや雑誌やインターネットを見れば、疲労ケアの情報や提案が盛りだくさんだ。「これを食べると疲れに効く」というものから、スポーツやアウトドアでリフレッシュしようというものまで、バリエーションもさまざまである。

 しかし、「『誰にでも効く疲労回復法』はない」、と著者は本書『寝てもとれない疲れをとる本』冒頭で断じている。一人ひとりの体質や性格は違うのだから、それぞれに効果のある疲労のとり方もまた違うのだという。たとえばスタミナをつけようと焼肉を食べたら胃もたれしてしまった、というケースのように、疲労をとろうとして自分に合わない方法を選んでしまえば、かえって疲れが溜まるということになってしまうそうだ。

『寝てもとれない疲れをとる本』書影『寝てもとれない疲れをとる本』 中根 一著 PHP研究所 748円(税込)

 著者は多くのエグゼクティブやクリエイターを顧客に抱える鍼灸師である。本書では、東洋医学の知恵を活かした疲労のとり方を解説しているが、その語り口は西洋医学の視点もふまえており、現代的でわかりやすい。具体的には、本書は体質タイプを見極める特製チャートに従って、実際に自分の体質を知るところからはじまる。体質別の詳しい疲労回復方法とともに、体をいたわるための東洋医学の考え方を学べるようなつくりになっている。

 日々の疲れがなかなかとれないという方は、本書を通して、自然な体の治癒力を活かす回復方法を取り入れてみてはいかがだろうか。(池田明季哉)