イスラエルの戦時内閣は、イスラム組織ハマスとの戦闘を終結させるためのエジプトの提案を、より幅広い閣僚グループで検討している。人質解放を求める国内の圧力が強まる中、中東地域で影響力のある国々がガザ地区での戦闘を終わらせる解決策を模索している。 より広範な安全保障内閣は26日夜にこの提案を検討することになっていた。複数のイスラエル政府関係者によると、エジプトが提案するような、戦闘終結後のガザにおけるハマスの役割を認めるような取引にイスラエルが同意する可能性は低い。 イスラエルの戦時内閣の主要メンバーであるベンヤミン・ネタニヤフ首相、ヨアブ・ガラント国防相、ベニー・ガンツ元国防相は、ハマスが権力を維持することは許されないと述べている。イスラエルによれば、ハマスは10月7日にイスラエルを攻撃し、約1200人が死亡、約240人が拉致されてガザに連行された。 会議の議題に詳しい人物によれば、投票権を持つメンバー14人が、人質解放の取り組みや戦闘の進展に関するその他の問題について説明を受けることになっていた。 パレスチナ解放機構(PLO)の執行委員会のメンバーであるアフメド・マジダラニ氏は26日、ガザ地区とヨルダン川西岸地区を統治する統一政府の構成を含め、この提案について協議するため、代表団が近くカイロを訪問すると語った。PLOは当初、提案の一部を見て拒否したと述べていた。ハマスはPLOの一部ではない。 イスラエルはエジプト提案の第一段階について話し合う用意がある。これは、イスラエルがパレスチナ人の囚人を釈放するのと引き換えに、ハマスが拘束している人質を解放するというものだという。ネタニヤフ氏が率いるリクードの幹部議員で安全保障内閣の一員ではないダニー・ダノン氏が語った。 ネタニヤフ氏、ガラント氏、ガンツ氏の広報担当者は、エジプトの提案に関する話し合いについての質問には回答を控えた。 エジプトの提案は、イスラエルとハマスに提示された戦闘終結を求める最初の計画だが、双方が受け入れ難いと思われる面も含まれている。120~150人のパレスチナ人囚人の解放と引き換えに、40~50人のイスラエル人人質の解放を可能にするために、戦闘の一時停止を求めている。 先週末にイスラエル、ハマス、カタール、米国と共有された複数の段階が盛り込んだ提案では、停戦協定に続いて、ガザ地区とヨルダン川西岸に、ハマスとPLOの最大派閥であるファタハを含むパレスチナの諸派閥で構成される暫定的なテクノクラート政府を樹立することになっている。 暫定政権が発足すれば、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長(88歳)の後継者を決める選挙が行われることになる。ファタハ率いるパレスチナ自治政府の高官で、イスラエル政府との調整役を務めるフセイン・アルシェイク氏が後継者候補とされている。 一方、ハマスのガザ地区指導者のヤヒヤ・シンワル氏は、権力を放棄してイスラエルの人質を解放するような取引には応じそうにない。 イスラエル政府の一部幹部は、死亡が確認された人質の数が増え続けるなか、より多くの人質の解放を確保することの緊急性を強調している。イスラエルによれば、ガザで拘束されている人質は129人。 ガンツ氏は25日、イスラエル議会で、さらなる解放を確保することが「スケジュール的に優先事項だ。われわれはハマスの脅威を取り除く。人質は一刻も早く返すべきだ」と述べた。