テレビ・ネットで「日本のウォーレン・バフェット」と話題! 1936年(昭和11年)、兵庫県の貧しい農家に4人兄弟の末っ子として生まれた。高校を出してもらってから、ペットショップに就職。そこでお客だった証券会社の役員と株の話をするようになった。そして19歳のとき、4つの銘柄を買ったことが株式投資の始まりだった。あれから68年、バブル崩壊では10億円あった資産が2億円にまで減った。しかし今、資産は18億円まで増え、月6億円を売買しながら、デイトレーダーとして日々相場に挑んでいる。隠しごとなしに日常生活から投資法まで全部書いた話題の書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。

新NISAにも役立つ! 資産18億円を築いた87歳、現役トレーダーが教える<br />「ADR(米国預託証券)」という存在写真:川瀬典子

米国株と日本株の相関関係は
あくまで傾向にすぎない

米国株と日本株には相関関係がありますけれど、もちろん、これはあくまで“傾向”にすぎません。

短期的に見れば、日米の株価が異なる動きを見せることも決して珍しくはありません。

実際、2023年は米国株式市場が低迷しているにもかかわらず、日本の株価はバブル期以来の高値を付けました。

ADR(米国預託証券)
という影響力

加えて米国市場を見ることが重要な理由が、ADR(米国預託証券)の存在です。

ADRとはAmerican Depositary Receipt の略で、米国以外の国の企業が発行した株式をもとに、米国で発行される有価証券を指します。

新NISAにも役立つ! 資産18億円を築いた87歳、現役トレーダーが教える<br />「ADR(米国預託証券)」という存在

つまり、米国市場で日本企業などの外国株を買うことのできる仕組みなのですが、この制度を活用することで、EU(欧州連合)の先進国やアフリカの新興国の企業にも投資ができます。

米国市場で日本株の
取引を可能にするADR

ADRは厳密にいえば株式ではありませんが、実質的には株式と同じようなものです。

日本人投資家が米国市場の取引時間に合わせて売買することが困難であるならば、同じことが日本株を売買したい米国人投資家にもいえます。

米国の株式市場と同じ時間帯で取引されるADRの制度により、米国人投資家も簡単に日本株の取引ができるというわけです。

日本市場が開く前に
米国市場をチェックするワケ

日本企業でADRを発行しているのは、トヨタ自動車や武田薬品工業、ソニーグループといったグローバル企業です。

このADRも株価指数と同じく、個別銘柄とまったく同じ値動きをするとは限りませんが、大きな参考になります。

米国で値動きが激しければ、日本でも似たような動きをします。つまり、日本の市場が開く前に、ある程度の値動きを予測できるというわけです。

相場全体の
傾向を知っておく

ちなみにADR取引価格の上昇率・下落率は、前日のADR取引価格に対してのものです。日本のマーケット終了からの価格に対してのものではありません。

私はどちらかといえば経済状況や企業の財務状況・経営状況などのデータをもとに将来の株価を予測するファンダメンタルズ分析よりも、チャートを見て買う株を決めるテクニカル分析を得意としますが、それでもある程度は相場全体の値動きを知っておくことが不可欠です。

※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。