ダイヤモンド編集部の恒例企画、農家が選ぶ「使える&期待外れ」ツールランキングを発表する。今年は人手不足を解消するためのアルバイト募集サービスや、経営と環境保護を両立するためのツールが順位を急上昇させた。特集『儲かる農業2024 JA農水省は緊急事態』(全17回)の#7では、有力農家が、儲かる農業を実現するために活用しているツールを大公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)
アイガモロボやドローンなど
脱炭素ツールが隆盛
毎年恒例の「農業ツール選手権」の経営管理アプリ・ソフト部門1位は、三菱商事が出資するウォーターセルの「アグリノート」だった。ユーザー数は3万2000組織に上る。
ウォーターセルは農薬世界最大手の独バイエル クロップサイエンスと提携。農家が入力した農作業の記録を基に、温室効果ガスのカーボンクレジット(削減実績を企業に販売するための証明)の取得をサポートする事業を本格化した。
今後は、クレジットの取得のみならず、農産物が環境に配慮して生産されたことを証明し、価値を付けて流通させるバリューチェーンの構築も模索する。
同部門で毎年徐々に順位を上げているのが、「アグリハブ」だ。農家からは「農薬の登録がとにかく便利だ」と評価が高い。ITエンジニア兼農家が、かゆいところに手が届くアプリ開発を行っていることが高評価の秘訣のようだ。
次ページでは、経営管理アプリ・ソフト部門に続いて、販売・調達部門、生産DX・自動化ツール部門など、農業ツール選手権の全ランキングを大公開する。