石油ムラ 大異変#2Photo by Masato Kato

石油元売り業界で最大手のENEOSホールディングスの混乱を横目に、したたかに再生可能エネルギー銘柄へと変貌を遂げつつあるのが業界2位の出光興産だ。実は、同社も大きな転機を迎えている。それはトップ人事である。同社の木藤俊一社長は昭和シェル石油と経営統合する前年の2018年からトップを担い、はや約6年にもなる。特集『石油ムラ 大異変』(全5回)の#2では、「非主流」の候補に注目が集まる次期社長レースをレポートする。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

社長就任から約6年の木藤氏
会長にスライドし新社長を引き上げ?

 石油元売り業界2位の出光興産は、創業家で大株主の出光家が当初反対したものの、2019年に昭和シェル石油と経営統合を果たした。同社を率いる木藤俊一社長CEO(最高経営責任者、68歳、旧出光興産出身)は社長就任から約6年が過ぎた。

 22年夏に業界首位のENEOSホールディングスの杉森務会長グループCEO(当時)がセクハラで辞任し、石油連盟(石連)会長も退任。そこで木藤氏が石連会長に緊急登板するハプニングもあったが、自社の経営も業界の仕事も、その職責を果たしてきた。

 ただし石連会長は、元売り各社の会長が担うのが近年の通例。そこで今夏にも木藤氏が現在空席の会長職にスライドし、後任の新社長を引き上げるのではないかという観測が業界内に出ている。

 では、木藤氏の後任を担うのは誰か。経営統合は企業規模からすれば出光興産が昭和シェル石油をのみ込んだ形だったため、木藤社長CEOの後任も旧出光興産の出身者が就くのが常道といえる。しかし下馬評ではなんと、旧昭和シェル出身者を推す声が少なくない。旧昭和シェル時代に社内の一部から「プリンス」と呼ばれた人物である。

 次ページでは、次期社長候補の本命や対抗馬の実名を挙げる。次期社長レースの鍵を握るポイントとは。急速に台頭する非主流派の候補にくすぶる“悪材料”についても明らかにする。