民主党政権は、「最低賃金1000円」をうたっていたが、最低時給600円台の時代から上がるどころか、最近は「個人事業主の契約にして、実質時給300円台」だと、Aさんは説明する。しかも、「車も保険も自己負担」と言われるなど、どんどん追いつめられているという。

「応募した中には、“経営コンサルタント 中高年歓迎”という求人がありました。すると、“HPを見てくれ”と言われたので見てみると、別のHPがあるんです。それをクリックしたら、経営コンサルタント部門もあるのですが、仕事の内容は、お金を貸す怪しい感じの金融業。取り立てをやらされるのかなと思いました。経営コンサルタントなら、日本政策金融公庫から融資が出る。法的にも微妙な感じがしました。いろいろと怪しい仕事が多いですよね」

 Aさんは、こうしたハローワークでの経験をきっかけに、どのように求人を載せているのか、どれくらいの人数が採用されているのか、求人の実態に疑問を抱いた。

 それでも、妻からは「会社員になってほしい」と言われ続けているため、怪しい企業にも応募してきたという。

「ハローワークでは違う業務で募集が行われていて、実態は振り込め詐欺だったという違法行為の求人もあるようですよ。ハローワーク側でも、つかめないんでしょうね」

厚労省も把握できていない
“カラ求人”の全容

 いったい、求人を出した企業は、実際にどれくらい採用しているのだろうか。

 ハローワークを管轄している厚労省の職業安定局に確認してみると、

「なかなか埋まらない求人もあるので、全体を通して集計していない」

 という。つまり、採用が決まるまでの求人の充足期間という基準は、設けにくいということらしい。

 また、“カラ求人”などの求人の実態についても「把握できていない」という。

 それでは、求人で募集している仕事内容が違う、あるいは、違法行為であることがわかった場合、どうなるのか。

「そういうことがわかった場合、適宜、ハローワークから指導が行きます」