現代人は「慢性的で容赦ないストレス」に押しつぶされ、頭も肉体も、そしてメンタルも疲れ切っている。私たち人間が本来持つ「エネルギー」を取り戻すには、どうすればよいのだろうか? 本連載では、スタンフォード大学で人気講義を担当し、億万長者の投資家、シリコンバレーの起業家、アカデミー賞俳優のコンシェルジュドクターでもあるモリー・マルーフの著書『脳と身体を最適化せよ!──「明晰な頭脳」「疲れない肉体」「不老長寿」を実現する科学的健康法』から人生最高の時期を引き延ばし、生活の質を最大限に高め、幸福度を増し、慢性疾患の発症リスクを下げる「最新の健康法」を紹介する。

【医者が教える】「仰向けで寝る」のはNG!「睡眠の質が最大限に高まる」眠り方とは?Photo: Adobe Stock

「仰向けで寝る」と眠りが浅くなる

 睡眠は、おそらく自分が好きに使える最も重要な回復戦略だ。

 概日リズムは内や外の自然のリズム(日の出や日の入りなど)に合わせて、眠ったり、起きたり、食べたり、食べるのを控えたり、動いたり、休んだりするように、あなたに合図を送る体内時計だ。

 健全な概日リズムは快眠につながり、快眠は回復を促し、記憶を定着させ、脳を掃除する。

 脳には「グリンパティックシステム」と呼ばれる老廃物を除去する仕組みが備わっており、このシステムが熟睡中に作動して脳を掃除する。

 仰向けに寝る人は、横向きに寝る人に比べて眠りが浅く、レム睡眠や熟睡の時間が短く、睡眠の質が低いとみられる。

 睡眠時の首の角度も重要になる。一晩に2時間以上仰向けの姿勢もしくは首が横向きでない姿勢でいる(頭が脊柱と一直線にならない姿勢で寝る)と、グリンパティックシステムの機能が低下することから、睡眠時の姿勢と枕など頭を支えるものには気を配るべきだ。

 概日リズムを正常化し、ストレスからの回復を最適化するために、睡眠の質を最大限に高める方法をいくつか紹介しよう。