家計の貯蓄率「8年ぶりマイナス」の3つの誤解、家計金融資産はここ10年で450兆円増Photo:PIXTA

昨年7~9月期の家計貯蓄率
8年ぶりにマイナスに

 内閣府が1月に公表した「家計可処分所得・貯蓄率四半期別速報(参考系列)」によれば、昨年7~9月期の家計貯蓄率が季節調整値で▲0.2%のマイナスに転じた。季節調整値でマイナスに転じたのは、2015年7~9月期以来8年ぶりとなる。

 これまでは、家計貯蓄率低下の一因として少子高齢化の進展が指摘されてきた。そして実際に家計貯蓄率の推移をみると、2000年代初頭と2010年代初頭に家計貯蓄率は大きく水準を下げており、高齢化が家計金融資産の抑制要因になるとする向きもある。

 家計の貯蓄をめぐっては、ほかにも貯蓄減少が国債の消化を難しくし金利上昇や財政破綻につながるとの指摘や、経常収支の赤字化定着などの懸念がいわれてきた。

 だが、本当なのか。実際は異なる状況もある。より緻密な分析が必要だ。