株価上昇や若年世代のリスク資産投資増
「貯蓄から投資へ」が進展する条件整う
岸田文雄政権は「新しい資本主義」政策の一環として「資産所得倍増プラン」を掲げるが、株価上昇やリスク資産への抵抗感が少ない若年世代の株式などのリスク資産投資の増加が、「貯蓄から投資へ」の追い風になりそうだ。
これまでも歴代政権が株式や投資信託といったリスク性資産への投資を促してきたが、家計のリスク性資産が金融資産に占める割合は高まってこなかった。
しかし、筆者は株価の上昇や若年世代のリスク資産投資の増加、NISA(少額投資非課税制度)の拡充などにより、いよいよ「貯蓄から投資へ」の動きが進む条件が整いつつあると考えている。
リスク資産保有世帯増加や株価の継続的な上昇を前提としたシミュレーションでは、2040年に家計が保有するリスク資産残高は2.4倍に増え、家計の金融資産に占める割合は3割を超えて欧州並みの水準になる可能性が示唆される。
ただしそれにはいくつかの「条件」がある。