岸田政権の資産運用立国が招く円安リスク、個人の「外貨資産シフト」資金移動の規模は?Photo:JIJI

個人の外貨建て資産比率
過去10年ほぼ横ばい

 為替相場では円安トレンドが続いており、ドル円は昨年10月につけた1ドル151円台に近い。市場は長期的な円安要因として、日本の家計(個人)が資産防衛を目的に外貨建ての資産を増やすかに注目しているだろう。

 日本銀行が発表した2023年4-6月期の資金循環統計(速報)によれば、2023年6月末時点の個人の金融資産は約2115兆円と過去最高を更新した。そのうち、外貨建て資産(外貨預金、対外証券投資、投資信託受益証券の外貨部分の合計)は、全体の約2.9%と試算できる。なお、投資信託受益証券の外貨部分は、投資信託協会のデータから試算しているため幅をもってみる必要がある。

 個人の外貨建て資産の保有比率は、1年前と比べれば0.2%程度上昇しているが、円安によって時価が膨らんだ要因が大きい。資金循環統計のフロー統計によれば、個人は過去1年で投資信託を買い越す一方で、外貨預金と対外証券投資を減らしている。個人は外貨建て資産を新規に積み増したわけではなさそうだ。

 過去10年でみても、個人の外貨建て資産の保有比率は、2.3%から3.0%の範囲で推移している。個人は外貨建て資産に大規模な資金を動かしていないと思われる。