「PTA会費ゼロ」の学校増加の裏で、「それでは困る!」と圧力をかける“意外な抵抗勢力”とは?Photo:PIXTA

PTAの運営体制においては、かねて「会費を強制徴収」していることが問題視されてきました。この悪しき風習を脱却するべく、実は今、会費を「無料」にするPTAがじわりと増加しているのです。そうしたPTAは、どうやって運営しているのでしょうか。会費無料化が進む一方で、「それでは困る!」と難色を示す、意外な抵抗勢力とは――。PTA・学校・保護者に豊富な取材経験を持つ筆者が解説します。(ライター 大塚玲子)

PTAのトラブル&負担を一気に減らす
「会費ゼロ」という切り札

 PTAの見直し・改革の動きが徐々に広がっています。長いことPTAは保護者と教職員の「義務」とされ、本人の意思とは関係なく加入や活動、会費を求められるのが常でしたが、最近は「本人の意思を尊重する」という、本来であれば当たり前のやり方に向かいつつあります。

 自治体や学校によっては旧来通りのPTAもまだまだ多いのですが、「任意」のワードさえ口にしづらかった10年前とはだいぶ、世間の空気が変わってきました。数年前までは「改革無風エリア」だった東北地方を含めた日本各地で、PTAの改革例がちらほら聞こえてきます。

 さて、そんななか筆者が最近気になっているのが「会費の徴収をやめる」PTAの出現です。改革を進めるなかで「会費ゼロ」という選択をするPTAが、少数ながらもあちこちで出てきているのです。

 会費無料化に踏み切ったPTAは、どうやって運営を行っているのでしょうか。改革が進む中で、「それでは困る!」と難色を示す、意外な抵抗勢力の正体とは――。今回は、それらの点を見ていきたいと思います。