「偏頭痛の人にしかわからないことは?」で出てきた異様に絶妙な言い回しとは?
そう語るのは、これまでX(旧Twitter)上で8年間365日、毎日欠かさず大喜利のお題を出題し、累計で200万以上の回答を見てきた「坊主」氏だ。大喜利のように「斜め上の発想を出す」というスキルは、「面接での一言」「LINEでのうまい返し」「意中の相手を口説く言葉」「新企画のアイデア」などに使える“万能スキル”でもある。そんな大喜利について思考法をまとめた話題の著書『大喜利の考え方』では、「どうすれば面白い発想が出てくるのか」「どんな角度で物事を見ればいいのか」などを超わかりやすく伝えてくれている。まさに「面白い人の頭の中」が丸わかり。そこで、この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、大喜利的な思考法を詳しく解説する。(構成/種岡 健)
できないことが強みになる
落語や漫才などの笑いの原点は、「弱点をさらすことだ」と言われています。
「こんな身分の低い自分を笑ってください」
「あなたよりダメな私を見てください」
など、自分のことを下に見てもらうことで、笑いは起こります。
時代の流れで徐々に、デブ・チビ・ブスなどの表現は使われなくなりました。
しかし、それでも「下に見られる」という部分はやり方次第でうまくいきます。
あなたにとって、「これが苦手だ」というものを見つけてください。
そこに笑いや共感を生み出す素材が隠れています。
「あるある」という武器
ちなみに私も偏頭痛持ちです。
田舎に帰ったときや、師匠と会わないといけないとき、ストレスで頭が痛くなります。
おそらく無理してお坊さんをやっているのでしょうね。体が拒否反応を起こして、頭が痛くなってしまいます。
なので、こういうお題に共感を覚えます。
〈お題〉
「偏頭痛の人にしかわからないことは?」選手権
〈回答〉
脳みそに心臓があるかのように
ドクドク鳴っている感じがする
この感じ、私にとってはすごくリアルです。
ただ、頭痛持ちでない人には、もしかすると伝わらないかもしれません。
同じ症状を持つ人は、その表現を考えてみてください。
きっと共感し合えることでしょう。
ただ、病気にまつわる大喜利やあるあるネタは要注意です。
「○○病」や「○○症」など、病気をネタにするのは、あまりよくありません。
「汗っかき」も言い方を変えると、「多汗症」ではあります。
こうやって大喜利にするときは、病気の一歩手前くらいの「少し困っている程度」の場面を想定しておこなうのが大事です。
笑いと不快の線引きに注意しましょう。
「これで苦しんでいる人がいるかも?」という顔がリアルに思い浮かぶなら、やめておいたほうがいいのかもしれません。
(本稿は、『大喜利の考え方』から一部抜粋した内容です。)
日本一の大喜利アカウント
X(旧Twitter)は、2024年1月現在で190万フォロワーを突破。元々、「2ちゃんねる」が大好きで、「匿名で面白い回答をする人がたくさんいる!」ということに衝撃を受け、Xでお題を出し続ける。これまで8年間365日、毎日欠かさず大喜利のお題を出題。累計で2万以上のお題を出し、数百万以上の回答を見てきた。昼は僧侶として働く、正真正銘の「お坊さん」でもある。また、都内に「虚無僧バー」「スジャータ」というBARを2軒経営しており、誰でも1日店長ができる店として、さまざまな有名人やインフルエンサーなどに店長を任せている。BARの名前の由来も仏教からとられている。『大喜利の考え方』(ダイヤモンド社)が初の著書。