「おじいさんって『おじ遺産』だね。私のために『他界他界』してよ!」レベルで心がほっこりしない名言は…。
そう語るのは、これまでX(旧Twitter)上で8年間365日、毎日欠かさず大喜利のお題を出題し、著書『大喜利の考え方』を刊行した「坊主」氏だ。いまや空前の「大喜利ブーム」。大喜利のように「斜め上の発想を出す」というスキルは、「面接での一言」「LINEでのうまい返し」「意中の相手を口説く言葉」「新企画のアイデア」などに使える“万能スキル”でもある。そんな大喜利について、世界で初めて思考法をまとめた話題の著書『大喜利の考え方』では、「どんな角度で物事を見ればいいのか」などを超わかりやすく伝えてくれている。まさに「面白い人の頭の中」が丸わかり。そこで、この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、大喜利的な思考法を詳しく解説する。(構成/種岡 健)
うすうす思っていること
大喜利という場では、「少しいじわるな目線」が武器になります。
「ボケる」「ぶっちゃける」などの表現もしますが、ここで取り上げる「うすうす思っていることを言う」という方法は、その核心を突くテクニックです。
たとえば、「死」という不謹慎な話題も、笑いのネタになります。
大好きなおじいちゃんが死ぬことは誰もが悲しいことです。
しかし、心の中ではうすうす、こう思っていないでしょうか。
〈お題〉
「心がほっこりしない孫の言葉」選手権
〈回答〉
・おじいさんって、おじ遺産だね
・私のために他界他界してよ
「亡くなるのは悲しい。けど、遺産は嬉しい」
そんな「うすうす思っていること」は大喜利ではウケます。
これに対して、真面目に「そんなことを言ったらかわいそうだ!」と怒り出すような人は、つまらないですよね。
まあ、「※これは大喜利です」という注意書きを添えないといけないこともあります。
窮屈ですが、配慮は仕方ありません。
他にも、義理の実家には、うすうす「行きたくない」と思っている人もいるかもしれません。
そんな気持ちも、ここで吐き出してみましょう。
〈お題〉
「義実家に行きたくない言い訳は?」選手権
〈最優秀賞〉
グーグルマップのピンが家に刺さって抜けないんです
〈高齢の住職賞〉
餅を大きく切るクセがあるので
どうすれば行かなくても済むかを考えてみるのです。
すると、思考がスルスルと進むことでしょう。
特に2つ目の「餅を大きく切るクセがあるので」という回答は秀逸です。
殺してしまう危険性を遠回しに表現しています。ブラックジョークですよね。
ここまでの優れた回答は出てこなくても、「うすうす行きたくないと思っているんだよな~」と正直になることが重要です。
(本稿は、『大喜利の考え方』から一部抜粋した内容です。)
日本一の大喜利アカウント
X(旧Twitter)は、2024年1月現在で190万フォロワーを突破。元々、「2ちゃんねる」が大好きで、「匿名で面白い回答をする人がたくさんいる!」ということに衝撃を受け、Xでお題を出し続ける。これまで8年間365日、毎日欠かさず大喜利のお題を出題。累計で2万以上のお題を出し、数百万以上の回答を見てきた。昼は僧侶として働く、正真正銘の「お坊さん」でもある。また、都内に「虚無僧バー」「スジャータ」というBARを2軒経営しており、誰でも1日店長ができる店として、さまざまな有名人やインフルエンサーなどに店長を任せている。BARの名前の由来も仏教からとられている。『大喜利の考え方』(ダイヤモンド社)が初の著書。