「こんなに利益が出たのに、手元に残るお金はわずか」
経営者なら、誰しも一度はこう思うはずです。だからといって、小手先の節税に躍起になってはいけません。会社のお金を1円でも多く残し、そのお金を会社の投資にまわし、会社をより成長させる。それこそが経営者の仕事です。
本連載は、「1円でも多く会社と社長個人にお金を残す方法」を学ぶものです。著者は、財務コンサルタントの長谷川桂介氏と公認会計士・税理士の黒瀧泰介氏です。インボイス制度、各種法律に完全対応の『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』の著者でもあります。経営者の超リアルなお金の悩みに対し、あますところなく解決策を提示した1冊になっています。
税務署は何を見ているのか?
節税対策をしていると、怖いのが税務調査ですね。税務調査の調査先は、何らかの指標をもとにあたりをつけ、決算内容に問題がありそうな会社を狙い撃ちしているようです。
税務署としても、「ランダムに選んで調査に入った結果、不自然な点は何ひとつなかった」というのは避けたいのでしょう。
そこで本日は「税務調査で指摘されやすいポイント」をお話しします。
関連会社との取引に注意!
会社を複数持っている社長は、世の中に多くいます。
もちろん、業務上の必要に応じて複数持っているのであれば、問題はありません。しかし消費税を逃れるためや、利益を別の会社に逃すためにつくったのであれば、とても危険です。
消費税は、会社をつくってから原則2期の間は免税されます。そのメリットを狙って、業務上は必要ないのに会社をつくる社長もいます。しかし税務署は当然、目をつけます。
また、関連会社がある場合、同じ決算期であれば取引金額を照らし合わせやすいのですが、そうでないとチェックしづらい面があります。
それを逆手に取り、あえて関連会社の決算期を数ヵ月ずつずらしている社長もいます。すると税務署は、「ここに何かしらの操作が生じているのではないか」と、躍起になってチェックします。
(本原稿は『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』から一部抜粋、追加加筆したものです)