「こんなに利益が出たのに、手元に残るお金はわずか」
経営者なら、誰しも一度はこう思うはずです。だからといって、小手先の節税に躍起になってはいけません。会社のお金を1円でも多く残し、そのお金を会社の投資にまわし、会社をより成長させる。それこそが経営者の仕事です。
本連載は、「1円でも多く会社と社長個人にお金を残す方法」を学ぶものです。著者は、財務コンサルタントの長谷川桂介氏と公認会計士・税理士の黒瀧泰介氏です。インボイス制度、各種法律に完全対応の『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』の著者でもあります。経営者の超リアルなお金の悩みに対し、あますところなく解決策を提示した1冊になっています。

【完全合法】頭のいい社長がやっている「1円でも多くお金を貯める方法」Photo: Adobe Stock

完全合法のすごいノウハウ

「簿外資産」と呼ばれる資産をご存じでしょうか。いかにも怪しい響きの言葉で、公にできない、やましいお金のことを指すように感じるかもしれませんね。

 しかし簿外資産は、れっきとした合法の資産です。会計帳簿の外に資産を貯めておくことから、簿外資産と呼ばれています。「会計帳簿の外に資産を貯める」という響きがまた怪しく感じるかもしれませんが、ご安心ください。合法です。

 不況や売上不振、そしてコロナ禍のような予測不能な事態で大きな赤字が出てしまったときに、簿外資産があると、それを利益に換えることができます。なかなか内部留保を貯めておけない中小企業にとっては心強い味方です。

 簿外資産をつくる方法としてオススメなのが、経営セーフティ共済です。「節税するならまずはこれ」といえる、まさに王道の手法です。手堅く確実なだけに、絶対に覚えておきたい節税策です。

 経営セーフティ共済では、支払う掛金を全額経費にできます。

 月額5000円から20万円まで加入でき、1年分の掛金を一括で払い込むこともできます。年間240万円、累計で最大800万円まで経費にできます。確実に、そして大きな節税効果が見込めます。また、40ヵ月以上加入していると、解約したときに、支払った掛金が全額返ってきます。

 年間240万円までは経費になり、しかも貯まっている掛金は、決算書にはまったく載ってこない。つまり「簿外資産」というわけです。

 経営セーフティ共済は、国が用意してくれている特別な制度で、経費で落としたものを合法的に簿外に貯金しておけるイメージです。

 さらに、会社を複数経営している場合は、経営している会社の数だけ加入できます。利益が出ていて、少しでも会社にキャッシュを残したいと考えている企業は、ほぼすべて加入しています。

(本原稿は『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』から一部抜粋、追加加筆したものです)