「こんなに利益が出たのに、手元に残るお金はわずか」
経営者なら、誰しも一度はこう思うはずです。だからといって、小手先の節税に躍起になってはいけません。会社のお金を1円でも多く残し、そのお金を会社の投資にまわし、会社をより成長させる。それこそが経営者の仕事です。
本連載は、「1円でも多く会社と社長個人にお金を残す方法」を学ぶものです。著者は、財務コンサルタントの長谷川桂介氏と公認会計士・税理士の黒瀧泰介氏です。インボイス制度、各種法律に完全対応の『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』の著者でもあります。経営者の超リアルなお金の悩みに対し、あますところなく解決策を提示した1冊になっています。(初出:2023年12月5日)
どんな会社が税務調査に選ばれる?
節税対策をしていると、怖いのが税務調査ですね。税務調査の調査先は、何らかの指標をもとにあたりをつけ、決算内容に問題がありそうな会社を狙い撃ちしているようです。
税務署としても、「ランダムに選んで調査に入った結果、不自然な点は何ひとつなかった」というのは避けたいのでしょう。
そこで本日は「税務署に目をつけられる、経費の使い方」についてお話しします。
売上は前期とほぼ変わらないのに、何かの費用だけ突発的に増えている場合、やはり目を付けられます。
具体的には、主に交際費、外注費、広告宣伝費、給与、退職金です。仕事に関係のない交際費による経費の水増しや、架空の外注費・人件費などは、税金逃れの常套手段です。
また、そうした費用を決算期末に慌てて計上した場合は貸借対照表に『未払金』『買掛金』など負債項目が増加します。そして税務署が勘定科目内訳書を見ると、不自然に増えている取引先などがあることが多く、その場合は質問されたり、根拠資料の提出を求められたります。
税金の申告をしたとき、税務署側はデータベースで管理をしています。そのデータベースで異常値が発見された場合に、調査が入ると考えてください。
(本原稿は『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』から一部抜粋、追加加筆したものです)