イランが13日にイスラエルに向けて発射した多くのドローン(無人機)とミサイルがほぼ全て撃墜されたことは、防空システムの成功を意味すると同時に、迎撃用兵器の供給不足を改めて浮き彫りにした。ロシアとウクライナの戦争や、アジア太平洋地域の緊張、中東の紛争再燃を受け、各国が防空能力の強化を進めている。だが防空関連企業の供給が需要に追いつかず、各国は長い納期とコスト高に頭を痛めている。過小投資が数年続いたことで、さながら世界的なミサイル争奪戦のようになり、一部の防空ミサイルは納入に2年以上かかっている。ロケットモーターなどの部品不足が遅れの要因だ。ジョン・ヒル米副次官補(宇宙・ミサイル防衛担当)は先日、議員を前に「(米国が)しばらく手を休めていて、これから遅れを取り戻そうとしていることに不安を感じる」と語っていた。