近年、日本には不動産バブルが到来している。加えてマイナス金利の解除も決定し、そろそろ家を買おうと考えていたものの、不安を感じる人も多いのではないだろうか。そんな住宅購入を不安に感じる人の悩みを解決ためにこの春『本当に家を買っても大丈夫か?と思ったら読む 住宅購入の思考法』が発刊された。本記事では発刊を記念して、本文の一部を抜粋、一部再編集してお届けする。

住宅選びPhoto: Adobe Stock

住宅ローンは絶対に人任せにしてはいけない

 不動産の営業担当で、「(審査が通るならば)正直、住宅ローンはどこの銀行でもいい」と思っている人は意外と多いです。なぜなら、営業担当としては、皆さんがどのローンを選んだとしても自分の利益にはならないからです。

 そうなると、営業担当にとってなるべく楽な住宅ローンを選びたい、選んでほしいという心理が働きます。当然ながらその場合は、自社で提携しており、審査手続きが楽で通りやすい銀行が選ばれることになります。

 不動産会社にとって銀行のローン提携とはなにかというと、銀行側に担当窓口がついてメールや電話でやり取りができる。また優遇金利を受けやすくなるというメリットがあります。そのため、中規模程度の不動産会社では、1社や2社、多くて3社くらいですが、そこの提携銀行のなかからローンの借入れ先を選ぶ形となります。

 それがなぜよくない可能性があるかというと、ここ最近の低金利の有力選択肢であるネット銀行が使えない(提案されない)ことが多いためです。なぜなら、ネット銀行は金利が安くてとてもお得ではありますが、同時に審査に時間がかかることが多い・本審査で落ちやすい・提携していない限り審査状況が不動産会社側には見えないなど担当者としてもコントロールがしにくいローンという特徴があります。

 結果として、金利は安いですが、やはり不動産会社からは敬遠されがちな存在になります。ただ、ネット銀行は店舗を持たない分、審査に通れば金利が圧倒的に安いのはたしかです。特に勤務先が大手である、勤務歴が長い、ほかの借入れなどがないなど、いわゆる「審査上属性がいい人」ならば必ず検討してほしいローンです。ただ、不動産の営業担当任せだとおすすめされにくいということは知っておきましょう。自分で知識を持ち、比較検討し、ネットも都市銀行系もちゃんと審査を出しながら、自分で判断していく。手間はかかりますが、そんな思考法が求められます。