トラックのリースを手掛ける米ライダー・システムの幹部らは以前から、電動の大型トラックに切り替えたいと一部の主要顧客が要望するのを耳にしてきた。ライダーによると、今ではそうした大型トラックが利用できるようになったものの、それに金を払おうとする顧客はほとんどいない。「大半の企業からすれば、単に経済的に割に合わない」。ライダーのロバート・サンチェス最高経営責任者(CEO)はこう語る。同社は小売業者や製造業者を顧客に25万台のトラックやバンを管理する。温室効果ガス排出を巡り、米国の連邦・州政府はトラック業界を排出の多いディーゼル車からゼロエミッション車へと移行させようとしている。ライダーが明らかにする実態は、こうした取り組みの課題を浮き彫りにしている。競争が激しく利益率の低い貨物輸送部門で電動トラックがディーゼル車に本格的に対抗する上で、バッテリーの重量や航続距離、充電時間などの大幅な進歩がトラックメーカーに求められる。