米経済の失速が続いている。成長率はまだ政策当局が懸念するほど鈍化していないが、現在の傾向が続けば近いうちにそうなりかねない。5月31日、投資家の注目は当初、米商務省が発表した個人消費支出(PCE)価格指数に集まった。それも当然で、同指数は米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標であり、11月の米大統領選前に利下げするかどうかの判断材料となるからだ。だが、それと同時に発表された、基調的な経済活動に関する統計の方が大きな意味を持つことが明らかになった。4月のPCE価格指数は前年同月比2.7%上昇し、エコノミスト予想通り、伸びが前月から横ばいとなった。FRBが重視する、変動の大きい食料品とエネルギー品目を除いたコアPCE価格指数は2.8%上昇し、予想をわずかに上回った。