2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

【神様が味方する人の習慣】「幸せになる人」がする逆の考え方Photo: Adobe Stock

幸せになる人は、大きな数字を達成したその先に、「別の価値観」を見い出した人

 たとえば、試験の点数、営業成績、売上などについて、「数字」を追いかけていくとします。その結果、50が100になれば200を望み、200が300になれば400を望み、400が500になれば600を望み……と、私たちは際限なく、「上の数字」を追い求めようとします。

 私たちは、限りある数字を追いかけることはできますが、400が500になり、500が600になり、600が700になっても、決して「無限大」に到達することはできません。

 私たちの多くが、「『無限大』に到達すれば『幸せ』になれる」「より大きな数字を達成するほど、幸せも大きくなる」と信じ込まされて生きてきた気がします。

 ですが、「より大きな数字を達成すれば、幸せになれる」のではないようです。

 幸せになる人は、大きな数字を達成したから幸せになったのではなくて、大きな数字を達成したその先に、「何かまったく違う別の価値観」を見い出し、幸せを確認することができたのではないでしょうか。

 100を1000にして、1000を1万にして、1万を10万にして……と数字を大きくしても、幸せにはなれません。むしろ「逆の考え方」をしたほうが幸せになれるようです。

 逆の考え方とは、「数字を大きくするのではなく、数字を減らしていって、『ゼロ』に戻す」という発想です。

 つまり、「これをしなければならない」とか、「こういうものを達成したい」という数字を限りなく「ゼロ」に近づけていって、ついに「ゼロになってしまう」ことです。求めるもの、望むものが「ゼロ」になる方向に転じてみるのです。

 これは、今までの学校教育や、3次元的な経済社会の中での方向性とは、正反対の考え方です。

 もし、望むこと、欲すること、希望することが「ゼロ」になったならば、そのときに、はじめて「ゼロ=無限大」になるようです。

 なぜなら、「ゼロ」は、望むこと、欲すること、希望することがなくなった状態であり、それはすなわち、「すべてのものに対して、満足している」「すべてのものが手に入っている」「すべてのものが満たされている」ことにほかならないからです。

 あれも欲しい、これも欲しいと追い求めているうちは、いつまでも満たされないため、幸せを感じにくいと思います。

 望むこと、欲すること、希望することがなくなってしまうこと。この「ゼロ」の状態こそが、「ありとあらゆる幸せを手に入れた状態」「ありとあらゆる現象に幸せを感じられる状態」なのではないでしょうか。「何も求めない状態=無限大」にほかならないと思うのです。

 何か素晴らしいものが手に入らなくても、何か素晴らしい出来事が起きなくても、「私」が目の前の現象を「幸せ」だと感じ取ることができれば、そこには「幸せ」が存在していると思うのです。