2016年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの奇跡』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。

ありがとうの奇跡Photo: Adobe Stock

自我+おまかせ=100

 40年間、宇宙の法則を研究してきた結果、「どうやら神様は、やる気のない人を後押ししているらしい」ということがわかりました。

 宇宙には、「自我+おまかせ=100」という法則があります。

「自我」とは、好き嫌いのことです。優先権は自我にあって、自我が「90%」の場合には、「おまかせ」が「10%」だけ入り込みます。

 自我が「20%」のときは、おまかせが「80%」入り込みます。そして自我がゼロ状態になり、おまかせが「100%」の状態になると、人生はすごく「ラクで楽しいもの」になります。

 私も若いときは、自我だけで自分の人生を組み立てるように、教育されてきました。

 父親から、「自分の夢や理想、夢や希望というものを追いかけて、それを実現させることが正しい人間だ」と教え込まれて育ってきたのです。

 ところが、「宇宙の法則」がわかってきてからは、「ただただ、宇宙におまかせをすればよい」と思うようになって、「おまかせの部分」がどんどん増えてきました。

「自我が強い人生」も、「おまかせだけの人生」も、私は両方体験してきました。両方を知る人間としての結論は、「おまかせ100%の人生はものすごく楽しく、ものすごく幸せな人生だ」ということです。

 おまかせの人生とは、より具体的に言うと、「やるハメになったことを、ただ淡々とやる人生」のことです。

 私が子どものころ、両親は、毎日ケンカをしていました。私が小学校4年生のときに4回、5年生のときに5回、6年生のときに6回、母は実家に逃げ帰りました。

 母を迎えに行くのは、私の役目でした。何回も母を迎えに行っているうち、私は、電車の時刻表の読み方や安い切符の買い方を知ることができました。

 時刻表に読めない漢字があると、漢和辞典や国語辞典で調べたので、辞書を引くことが好きになりました。おかげで「国語の力」がだいぶアップしたように思います。

 大学2年生のとき、私は実家を出るハメになりました。そして、生活費を自分で稼ぐハメになったのです。

 その結果、好きだった旅の「記事」をあちこちに投稿する、ということを思いつきました。あちこちに投稿した結果として、有料で原稿を採用してくれるところが半分ほどありました。

 そのお金のおかげで、私は自分で大学を出ることができました。

 自分の夢や希望を追っていたから原稿を書くようになったのではありません。生活のために原稿を書くハメになった。そして、それをあちこちに送っていたら、それで生活ができるようになったのです。

 自分の側から、働きかけたわけではありません。やるハメになっただけ、です。そしてどうやら、「やるハメになることが宇宙の要請」のようなのです。「宇宙がそのようにしくんだ」というほかありません。

 私たちの人生は、生まれる前に、「自分で自分の人生のシナリオを書き上げている」ようです。

 自分の意志とは関係なく、「自分が書いたシナリオ通り」に、ことが進むようになっている。それは「やるハメになった」というかたちで現れてきます。

 だから、何も考える必要がありません。「やるハメになったことを、ただ淡々とやる人生」が、私の言う「おまかせの人生」ということです。