英語を話せるようになりたいけれど、効果的な学習法が見つからない。そんな多くの英語学習者から絶賛の声を集める本が『話す力が身につく5分間英単語』だ。カジュアルな会話からフォーマルな表現まで、数千に及ぶ例文を音声とともに掲載。実践的なスピーキング力やリスニング力を向上させることができる。著者は、英字新聞編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」まで丁寧に解説した。本稿では本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
①(〈up to+数字〉の形で)最大で~
②(基準・期待など)~に達して
③(主語は)~次第だ、~に決定権がある
④(主語は)~の責任だ
⑤ ~をたくらんでいる
up to
「最大で」「基準に達する」「~次第だ」など幅広い意味
up to ~は幅広い意味で使われる表現だ。ここでは特によく使われる用法をマスターしよう。
まず①と②はセットで押さえておくとよい。
up to 30 people(最大30人)のように後ろに数字を続けると「最大で~」と可能性として最も大きな数字を表し、up to our expectations(期待に達して)のように何らかの基準や期待を表す語句を続けると「~に達して」という意味を表す。
upはご存じの通り「上」を意味し、toはgo to school(学校に行く)のように〈到達点〉を表す。
①②はどちらも「上にある数字・基準に到達する」というイメージで捉えることができるのでup toが使われると考えておこう。
また、〈be up to+人〉の形で③「(主語は)~次第だ」、④「(主語は)~の責任だ」という意味を表す。
これらは文脈によって「~次第だ」「~の責任だ」という意味になるだけで本質的には同じものなので、③④もセットで押さえておこう。
最後に、be up to ~の形で⑤「(主語は)~をたくらんでいる、よからぬことを計画している」という意味を表すことがある。
特にbe up to something(何かをたくらんでいる)やbe up to no good(よからぬことをたくらんでいる)といった形で用いることが多い。
また、「たくらんでいる」という悪い意味が薄れて、単に「~をしている」といったニュアンスで使うこともある。
この意味ではWhat have you been up to?(最近どうしていた?)という相手の近況を尋ねる決まり文句として使うことが多い。
①(〈up to+数字〉の形で)最大で~
The car can seat up to eight people.
その車には最大で8人乗ることができる
The bug can live for up to two weeks without water.
その虫は水なしで最長2週間生きられる
②(基準・期待など)~に達して
The movie wasn't up to our expectations.
その映画は私たちの期待に達しなかった
His performance last night wasn't up to his usual standard.
昨夜の彼のパフォーマンスは、普段の基準に達していなかった
I don't think he is up to the job.
彼にその仕事がこなせるとは思えない
◆ 直訳は「その仕事に求められる基準に達していない」。このように「基準に達している」から転じて「能力的・体力的・精神的に~できる、~をこなせる」というニュアンスで使うこともある(下の例も同様)
She is still recovering and not up to seeing visitors.
彼女はまだ回復途中で、面会はできない
③(主語は)~次第だ、~に決定権がある
Either will be fine with me. It's up to you.
私はどちらでも構いません。あなた次第ですよ
How the new year will turn out is entirely up to you.
新しい年がどうなるかは完全にあなた次第です
◆ entirelyやtotallyを前に付けることで強調することがある
④(主語は)~の責任だ
It's up to Mr. Hannigan to solve the problem.
その問題を解決するのはハニガン氏の責任だ
◆ ④の意味ではIt’s up to 人 to do ~(~するのは人の責任だ)の形で使うことが多い
⑤ ~をたくらんでいる
He must be up to something.
彼は何かたくらんでいるに違いない
I wonder what they are up to.
彼らは何をたくらんでいるのだろう
What have you been up to?
最近どうしていた?
(本稿は『話す力が身につく5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)